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1. ワークショップの目的 科学技術への市民参加が叫ばれるようになってきている。しかし、その際の「市民」の意味は様々であり、実際にどのような可能性があるのか十分な 見通しができているとは言えない状況である。そこで、本ワークショップでは、「市民」をかかげて実際的な活動をこれまで行ってきた3名を話題提供者として招き、それぞれの活動の報告をお願いする。 まずNPOとしてゆるやかな人の結びつきを作り上げ多様な活動の輪を広げてきた実績のある上田昌文(NPO法人市民科学研究室)に市民科学研究室における活動について、特に生殖技術プロジェクトを中心に紹介いただく。 次に、日本にコンセンサス会議を導入し、また最近「ディープ・ダイアログ (仮称)」という方式でイベント「市民が考える脳死・臓器移植」を行うなど、市民参加の手法開発を行ってきた若松征男(東京電機大学)に、この最近のイベントについての報告をお願いする。最後に、長期にわたって、主に医療 技術にかかわる問題の当事者をサポートし、市民として「いやなことはいやだ」と発言し続ける活動を行ってきた川見公子(脳死・臓器移植に反対する市民の会)に、その活動内容の紹介をしていただく。 これらの活動のスタンスや方向性の違いを確認しながら、「市民」の多様な意味と、科学技術への市民参加の様々な可能性について探っていくワーク ショップとしたい。 2. ワークショップの時間割 12:50-13:10 趣旨説明 林真理 (工学院大学) 13:10-14:05 話題提供1(討議30分を含む・以下同) 上田昌文(NPO法人市民科学研究室) 「不妊治療における市民の意思をとらえる」 先端医療分野で市民参加をすすめるには、市民が自ら必要とする医療情報を 的確に取り込みそれを主体的に活用することが欠かせない。市民科学研究室 では、妊娠・出産・子育て支援のコミュニティ・ウェッブサイト「ベビーコ ム」が実施した約150名の詳細な「不妊治療アンケート」の分析を行っている。 そこからみえる、「患者―医療者」から独立した、相互のコミュニケーショ ン促進のための第三者的支援の方法を、特に不妊治療と出生前診断に焦点を あてて、提言する。 14:05-15:00 話題提供2 若松征男(東京電機大学理工学部) 「イベント「市民が考える脳死・臓器移植」を運営して」 報告者らは1997年以降、科学技術社会問題を課題として市民参加手法の社会 実験を行ってきた。コンセンサス会議手法は2回の社会実験の後、2000年には、 農水省のプロジェクトの中で、遺伝子組換え農作物をテーマに用いられ、一 定の社会的認知を得た。こうして、市民参加手法を実践することの可能性が 示された。コンセンサス会議は多くの国で用いられ、その手法の堅牢性が示 されているが、参加手法には、その目的によって多様なものがある。2003年 に私たちが「三番瀬の未来」をテーマとして試みたシナリオ・ワークショッ プはその一つである。私たちはさらに、コンセンサス会議をベースとしなが らも、新しい手法を設計し、社会実験することを試みた。今回、報告するイ ベント「市民が考える脳死・臓器移植――専門家との対話を通じて」(2005 年1 月〜3月)がそれである。ここでは、このイベントをどのように運営した かを報告し、参加型手法を用いたイベントを行うための場(フォーラム)作 りにどのような課題があるかを述べる。その上で、こうした参加型手法の実 践者、参加型制度の提唱者として、政治的議論の必要性を主張したい。 休憩 15:10-16:05 話題提供3 川見公子(脳死・臓器移植に反対する市民会議) 「「脳死からの臓器移植反対」を発信し続けて−脳死・臓器移植に反対する市民会議からの発題−」 1)私たち「脳死・臓器移植に反対する市民会議」は1990年5月11日に結成さ れた。「臨時脳死および臓器移植調査会」の中間意見が検討されている時期で あった。1984年の膵・腎同時移植をきっかけとする反対運動や厚生省の竹内研 究班に対する取り組みなどが重ねられていたが、現状に危機感を持った専門家 ではない人たちが、「死」と「暮らし」に直接かかわる私たち一人ひとりの問 題であるという観点から参加した。 2)市民会議ではこれまで、1.脳死・臓器移植に対する反対の立場と考え方 を発信し続ける、2.「法制化」に対する実践的な反対活動(例えば、現在「 『脳死』を一律に人の死とし、家族の承諾だけで臓器摘出できる」とする『臓 器移植法』改悪案が国会に提出されようとしているが、反対の立場で国会議員 への要請活動を行っている)、3.会報『ニュースレター』の発行(現在61号ま で発行)、4.年に2〜3回「連続市民講座」を開催(様々な立場の講師を迎え55 回を数える)、などの活動を行っている。 3)「脳死・臓器移植に反対する」市民活動の中で、論議を重ねてきた問題や 考え方として、1.「死の自己決定権論」批判 2.優性思想批判 3.医療 被害・薬害被害者の実際からみた救急医療批判 4.同様に、人の死を「ある べき・望ましい死」として「社会意識化する」尊厳死についても反対等を提起 したい。 休憩 16:15-16:35 レスポンス1 松原洋子(立命館大学) 16:35-16:55 レスポンス2 田中智彦(東京医科歯科大学) 16:55-18:15 総合討議 司会 林真理 18:15-19:15 懇親会
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